馬券で食うための考え方 連載その6 メンタルを整えるその1
『メンタルを整える(その1)』
クリント・イーストウッド監督作品の「ミリオンダラー・ベイビー」をご覧になったことがあるだろうか?
ガッツと才能にあふれるけれど、少し年を取った女性ボクサーの栄光と挫折が描かれている。※ネタバレを含むので、それを気にされる方はそっとページを閉じてください。
主人公の女性ボクサーと対比される形で描かれているのが、クチは一丁前だが、腕は三流以下という若い男性ボクサー。「チャンピオンになる」といつも大口を叩いているが、周囲は冷ややかな目線を送っているというタイプだ。
才能のある女性ボクサーは連戦連勝で栄光の階段を上っていく。金銭的にも豊かになり、親に家を買ってあげることもできるようになった。勢いに乗り、念願のタイトルはすぐ目の前に迫っている。
一方の才能のない男性ボクサーは、いつもの大口に辟易した仲間の若いボクサーにボコボコにされて、ボクシングジムを飛び出していってしまう。
そんななかついに主人公のタイトル戦が行われる。相手は汚いことを平気で行うダーティーなチャンピオン。試合は勢いに勝る主人公優勢で進められるが、劣勢に立たされたチャンピオンは、ゴングが鳴った後の反則パンチで主人公をノックアウトしてしまう。運が悪く倒れたところにいすがあり、打ちどころの悪かった主人公は全身麻痺で一生体を動かせないようになってしまった。
そしてラスト。全てが片付いたあとに、ジムに大口を叩く若いボクサーが戻ってくる。栄光をつかみかけた主人公と、それを見守っていた老トレーナーは戻ってはこない。「グローブをつけてまた練習だ」残された別のトレーナーと若い男性ボクサーは、再び練習を開始し以前と変わらぬ日常に戻っていく。
というストーリー。クリント・イーストウッドの作品はいいものばかりだけれど、そのなかでも特に気に入っている作品だ。
テーマは何だろうか。俺は「人生は、大きな栄光をつかむと、その後に待ち受ける下り坂は大きくなるが、栄光もなくほんの少しの成功で満足していれば、下り坂も小さなもので済む」つまり、山高ければ谷深し、逆に山が小さければまた谷も小さなものになるだろう、と言っていると思うのだがどうだろうか。
いやいや、こいつ長々とネタバレまでして何書いてんの、と思われるかもしれないけど、これが馬券で成功する心構え、メンタルなのではないか。
つまり大きな栄光をつかむ(でかい万馬券をビシバシ当てて最短距離で大金をつかむ)と、大きな下り坂が待っている(散在に加え、馬券の投入金額が大きくなり、すっからかんになる)。
逆に小さな成功で満足している(ショボっと笑われるような金額を儲ける)と、下り坂も小さい(負けたときに大やられすることは少ない)のではないか。
大きくは儲けない。すぐに大金をつかもうと思わない。これが成功の秘訣だ、そう思うようになった。この考えを一層強くしたのがツイッターで出会った若者の話。FXで一時3億円を儲けた若者の悲しい話しがあったんだ。(明日へ続く)