黄金の羽根を拾う『馬券の資金管理法』

馬券でトータルの収支100%超を目指すブログ。3つのファクター、「予想」、「メンタル」、「資金管理法」に焦点を当てていきます。志を同じくする仲間達と小さなコミュニティーを作るために。一緒に学んでいきましょう。

馬券で食うための考え方 連載その6 メンタルを整えるその1の続き

 『メンタルを整える(その1)』の続き


 20代の若さでFXで3億円長者となった若者がいた。自分がSNS上で彼を知ったのは、その3億円を全てとかしてしまったあと。ネットでアマゾンの欲しいものリストを公開し、「ネット乞食」のような真似をしていた。


 そのときの彼の年齢は20代の後半。栄光をつかみ我が世の春を謳歌していたのもつかの間、奈落の底へと転落してしまったのだ。


 もうね、それを知ったときは非常に心が痛んだ。かつて3億円を持っていた若者が、すっからかんになったからといって時給1000円で働くことができるのか。心の強い人ならできるのかもしれないが、もし俺が同じ立場ならできない。今後彼はどうしたらよいのか。アドバイスの言葉をかけることすらできなかった。


 ではもう一度頑張ってFXで儲ければ、と思うかもしれないが、確率論から言うとまず不可能。


 どういうことかと言うと、話しを簡単にするために、最初に100万人が、資金10万円でFXを始めたとしよう。

 レバレッジをフルにかけて儲けを最大限にするスタイル。上がるか、下がるかに賭けるのだから勝率は50%、勝ったら資金は1・5倍になると仮定する。

 この設定でシュミレーションを行うと、


人数は

 100万人→50万人→12万5000人→6万2500人~と回を重ねるに連れ半減し、1人になるのは20回これを行ったとき。


 10万円の資金は、1回ごとに1・5倍になるのだから、それを20回繰り返すとちょうど3億3千万円になっている。


 ではその確率を計算してみよう。勝率は50%(0・5)だから、2回連続して勝つ確率は『0・5×0・5』(0・5の2乗)で、0・25(25%)。3回連続して勝つ確率は『0・5×0・5×0・5』(0・5の3乗)で、0・125(12・5%)となる。


 これを20回繰り返すと(0・5の20乗)は、0・0000009で、0・00009%だ。なにやらゼロばかりでよく分からないが、サマージャンボの7億円が当選する確率が0・000005%だから、それよりから少しマシという程度の確率でしかない。


 しかも怖いのは100万人も投資家人口がいれば、〝実力がなくても〟ひとりは3億円長者が出てしまうこと。確率的には必ず億万長者が出てしまうのだ、実力がないのに。日本の投資家人口は5000万人以上。実力がない億万長者が数人出てくるのは必然といえる。


 このまま引退できればいいのだけれども、3億円も稼いだら、誰でも自分は天才だと思うでしょう。ところがそれが実力ではなく、確率的に必然的に出てきたものだとしたら・・・。


 時計の歯車が逆回転し、9勝同士のじゃんけん大会の決勝の敗者ように、確実に負けるモードに入ったとしたら、奈落の底へと一直線。天才なのに負けるのはおかしい、との思いで全てを失ってしまっても不思議ではない。


 それが20代の後半でやってくる不幸を想像して欲しい。そうならば「こうなるだろう」という想像すら俺には難しい。


 一気に儲けたらいけないのだ。少しずつ資金を増やしていけばいい。複利の力を使えば億万長者にはなれなくても、そこそこの暮らしを補填する程度に稼げるようになることは不可能ではない。それどころか、複利の力を使えばうまくすればかなり豊かな暮らしも可能なのだから。

 

 複利の力はこの記事を参考にしてもらいたい。

keiba-kin8.hatenablog.com

 これの半分ほどのところに複利のことが書いてある。

 

 もし10万円を月に20%の利回りで運用すると(月に1・2倍)、3年後には、計算上は5900万円になっている。一気に儲ける必要はないことは分かるだろう。


 ただしこれはあくまで計算上の話。たくさん買うと自分の投じた資金でオッズが下がってしまうから。


※武蔵野Sの単勝は1億6千万円、11月3日・東京7Rの1勝クラスの単勝は4831万円売れた。


 つまり馬券では限界はあるとはいえ、複利の力を使えば、一気に儲けようと焦る必要はないことは分かっていただけたと思う。徐々に儲ければ、下り坂もまた緩やかなものになるのだ。


 万馬券の魅力は否定できない。それをびしばしと当てるカリスマには惹かれるし、コンテンツとしてとても敵わない。しかし先ほどの悲しいエピソード、そして複利の力を考えると、地道に一歩ずつ歩みを進めること、これが馬券で生きていくためには肝要だと考える。友人が大きく儲けても焦ることはない。複利の力を信じて頑張っていこう。